最終回は、タキとレイが最後の仕事を2人で行い、その時間を最後に、それぞれの結婚生活へ戻ることを決めました。
私はこのドラマの内容を事前にほとんど知らず、「一緒にごはんを食べるだけ」というタイトルから、好きな人がいても、そこで思いとどまるような話なのかなと思って見始めました。
ところが、途中から不倫の話になって、「あれ?思っていたのと違うな」と思ったんですよね。
4人での試食会もいろいろ波乱がありましたが、最終回では最後に2人で仕事をすることができました。
そして最後は、ドロドロした不倫ドラマではなく、それぞれが元の生活に戻って静かに終わります。
その結末を見て、これはこれで、このドラマらしい終わり方だったのかもしれないと思いました。
タキとレイが選んだ「別れ」という決断
最後の食事をしながら、レイはタキに「何年かかるかわからないけど、離婚して一緒になりたい」と伝えます。
タキは「レイ君はほんとに私を喜ばせるのが上手いね」と言いますが、それ以上は受け入れず、レイの気持ちを拒みます。
レイと一緒なら、タキが望んでいた楽しい食卓が手に入る。
そしてタキも、レイが望んでいるものを与えることができる。
それでも2人は、自分たちが結婚生活で満たされないものを、相手との関係で埋めようとしていたことに気づきます。
本当は、別の誰かに求めるものではなく、今のパートナーとの関係の中で向き合うべきことだったのかもしれません。
そこに気づいたからこそ、2人は一緒になるのではなく、それぞれの生活へ戻ることを選んだのだと思いました。
2人は「自分が求めるもの」と違う相手を選んでいた
このドラマを見ていて面白かったのは、タキとレイが結婚相手として選んだ人が、2人が求めているものとはかなり違うタイプだったことです。
レイの妻・ミワコは、全く家庭的ではありません。
一方、タキの夫・カズは寡黙でリアクションも薄く、何を考えているのかわかりにくい人です。
タキとレイが一緒にいると、料理を作って、食卓を囲んで、料理について話して、楽しくごはんを食べる。
2人が望んでいた「楽しい食卓」がそこにはありました。
だからこそ、なぜ最初に今のパートナーを選んだのかが気になります。
きっと、結婚するほど惹かれる部分が、それぞれにあったんだと思います。
結婚生活を続ける中で、「自分が本当に求めていたものは何だったのか」に気づいていったのかもしれません。
自分が相手に望むものを封印して、我慢しながら暮らしている部分もあったのではないでしょうか。
カズは、ちゃんとタキのことを考えていた
タキがレイとの最後の仕事をした日の夜、カズが帰ってきます。
2人が食べたのは、即席ラーメン。
1袋を2人で分けたラーメンを食べながら、タキが「1人で食べると多いけど、2人で分けるとちょっと足りないんだよね」と言います。
するとカズが、自分の分をタキに分けて「もっといる?」と聞きます。
この場面を見て、カズって優しい人なんだなと思いました。
普段はタキが料理を作っても、「美味しい」とはあまり言わない。リアクションも薄くて、何を考えているのかわかりにくい。
でも、本当はちゃんとタキのことが好きで、タキの気持ちやお腹の具合も考えているんですよね。
派手な言葉はなくても、こういう小さな行動にカズの優しさが出ていたように思います。
レイとミワコも、元の生活へ
レイとミワコも、子供のことを考えて元の生活に戻ることを選びます。
ミワコは「レイが浮気したことをまだ許していない」と言います。
でも、ミワコ自身も浮気をしていたので、「自分も浮気してたくせに、よく言うよ」と思ってしまいました。
そして、ミワコは相変わらず食事を作りません。
レトルト食品を温めただけの、どこか味気ない食卓。それをレイは黙って食べています。
食卓の形そのものは、以前と何も変わっていません。
ミワコは子供が寝た後で会社の先輩と飲みに出かけたりする。レイはそのことを知りませんが、もしかしたら不倫もまだ続いているのかもしれません。
それでもレイは、この生活を選んだ。
楽しい食卓を求めてタキと一緒にいた時間を経験したからこそ、望むものがすべて手に入るわけではなくても、自分はこの生活を続けていくと決めたのかもしれません。
結局、今回レイが不倫をしたことで、ミワコに頭が上がらなくなって、ますます食事の不満が言えなくなるでしょうね。見ていて思うのはレイじゃなくても、いつもレトルト食品出されたら嫌になるのもしょうがないですよ。
数年後、2人は同じ店で再会する
数年後、タキは息子のけいとと一緒に中華料理店へ入ります。
すると、そこにはレイも娘のみおりと一緒に来ていました。
2人はお互いの存在に気づきますが、話しかけることはありません。
それぞれが、それぞれの子供と食卓を囲んでいる。
そんな2人を見ていると、あのとき一緒にならないことを選んだ2人の、その後が少しだけ見えたような気がしました。
「パパの餃子はいつもぺったんこ」
レイの娘・みおりは、パパの作る餃子を思い出して「いつもぺったんこ」と笑います。
レイがタキと一緒に餃子を作ったときも、ひだのない餃子を作っていました。あのときのレイの姿が、ちゃんと今につながっているんですよね。
一方、タキの息子・けいとは餃子を食べて、「ママのと同じぐらい美味しい」と言います。
それを聞いたタキが、「けいとはママの扱いがうまいね」と返します。
それを聞いていたレイが微笑む姿も印象的でした。タキとの食卓を思い出していたのかもしれません。
この場面を見て、カズは料理を食べてもあまり感想を言わなかったけれど、息子はちゃんと感想を言ってくれるんだなと思いました。
タキにとっては、それだけでも嬉しいことなんじゃないかなと思います。
子供ができて、食卓は変わった
以前のタキとカズの食卓には、どこか静かで寂しい空気がありました。
でも数年後には、子供との会話があります。
レイの家でも、みおりがパパの餃子を笑いながら話しています。
夫婦の関係がその後どうなったのかまでは描かれていません。
それでも、子供たちとの会話を見る限り、2つの家庭はそれぞれ穏やかに暮らしているように見えました。
カズは以前、子供を育てていく自信がないと話していて、子供を作ることにも消極的でした。
それでも息子が生まれたのは、カズ自身も「子供を持ってもいい」と思えるようになったからかもしれません。
子供ができたことで、カズも少しずつ変わったのでしょうか。
個人的には、カズが息子と一緒にいるところを見てみたかったです。
以前よりも感情を出せるようになっていたらいいなと思いました。
タキとレイは、一緒にならなくて良かったのか
最終回を見終わって一番考えたのは、タキとレイが一緒にならなかったことについてです。
2人が一緒になれば、きっと楽しい食卓を作ることができたと思います。
料理をして、一緒に食べて、感想を言い合って。
タキもレイも、この2人の組み合わせなら自分が求めていたものを得られたはずです。
だから、2人が一緒になった方が幸せだった可能性もあると思います。
でも、この最終回を見ると、必ずしもそうとは言い切れないんですよね。
一緒にごはんを食べる時間が楽しかったからこそ、2人は「自分が本当に求めているもの」を知ることができた。
そして、その気持ちを抱えたまま一緒になるのではなく、それぞれの結婚生活に戻ることを選んだ。
それが2人にとって、本当に良かったのかどうかは、最後まで答えが出ません。
ただ、数年後の2人と子供の食卓を見ると、あのときの選択が間違いだったとも思えませんでした。
一緒にならなかったからこそ見えた幸せも、あったのかもしれません。
最後に
最初はタイトルから想像していた話とは違い、途中から不倫の物語になったことに驚きました。
でも、最後は不倫の結末を派手に描くのではなく、タキとレイがそれぞれの生活へ戻っていきます。
そしてラストで、けいとに「ママの知ってる人?」と聞かれたタキが、レイのことを「一緒にごはんを食べただけの人」と答える。
この一言を聞いて、タイトルの意味が最後に全部つながったように感じました。
一緒にごはんを食べた時間は幸せだった。でも、一緒に生きることを選ばなかった。
それでも、その時間があったからこそ、それぞれが自分の人生や食卓について考えることができたのかもしれません。
もっとドロドロした不倫ドラマになるのかと思っていましたが、最後は静かに終わりました。
皆さんはこの結末を見てどう感じましたか?
番組情報
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『一緒にごはんをたべるだけ』最終回(第12回)「最後に誰と食べますか?」
放送:テレビ東京系 毎週木曜深夜24:00〜24:30
BSテレ東 毎週火曜深夜24:00〜24:30
配信:TVerで見逃し配信。U-NEXTで見放題。
U-NEXTは初回31日間無料。無料期間後は有料です。
出演:澤田タキ/早見あかり、斎藤レイ/伊藤健太郎、澤田カズ/桐山漣、斎藤ミワコ/岸明日香、斎藤みおり/久場音葉
原作:大町テラス『一緒にごはんをたべるだけ』(講談社「コミックDAYS」)
電子版はKindleで読めます。
一緒にごはんをたべるだけ(1) Kindle版
それが、この「一緒にごはんを食べるだけ」というドラマらしい終わり方だったのかもしれません。

