前回は、ミワコがタキの家でのレシピ取材にみおりを連れて行き、レイをタキとみおりが出迎えたところで終わっていた。第10話の感想はこちら。今回は、子供の扱いに慣れていないカズの様子が特に印象に残る回だった。以下、ネタバレを含む。
理想の家庭を見てしまったレイ
レイは、タキの家にみおりを連れてきたことに不満を感じていた。こんなことしたらダメだろと思うが、ダメなことをしたのは自分自身だと気づく。
今回はみおりがいるおかげで険悪な空気にはならず、取材は和やかに進む。タキとみおりが一緒にクレープを作る姿を見たレイは、最初は罪悪感を抱いていたが、やがてそこに理想の家庭を見てしまう。料理上手で家庭的な母親と、楽しそうにごはんを作る子ども。そんな光景はミワコとの間では作れない、自分には手に入らないものだと感じてしまう。
みおりを連れてきたくなかったのは、それを実感するのが嫌だったからだと気づく。そこにミワコが「連れてきて良かったでしょ?」と尋ね、レイは何を言っているのだろうという目をしながら「うん」とうなずく。
このやり取りは、二人のすれ違いをはっきり表している。ミワコはレイの気持ちに気づいていない。この状況で夫婦として続けるのは厳しいと感じさせる場面だった。
子供が苦手なカズ
子供が苦手なカズは、みおりへの接し方がわからない。タキが楽しそうにみおりと関わる姿を見て、以前「子供がいたら何か違うのでは」と言っていたことを思い出す。硬い表情でいるカズに、みおりが無邪気に声をかけ、クレープを作ってくれる。美味しいかと聞いても反応が薄いカズに、みおりは落ち込んだ様子を見せる。
それを見たミワコが注意し、楽しい雰囲気が台無しだとまで言ってしまう。カズは「無理なんだって」と言い残し、仕事を理由に自室へこもる。タキからすれば、レイとなら子どもと三人で幸せな家庭が築けそうなのに、カズとでは自分が欲しいものが得られない、と失望したように見える。
カズの涙と、伝わらない気持ち
一家が帰ったあと、タキはカズの部屋へ行く。カズは自分と結婚した理由と、子供を欲しがる理由を尋ね、タキは「一緒にいると安心できたから」と答える。カズは、子供を育てる自信もなく、タキの望む食卓の会話にも応えられない、と本音を出す。たわいのない会話ですら重荷で、この先もタキの望みに応えられないのではと思うと怖い、と言って涙を見せる。タキは、カズが泣くのを初めて見る。
カズは以前、タキを羊だから大事にしている、と言っていた。その言い方から、所有物のように思っているのか、自分の気持ちだけを押し付けているのかと思っていた。だが今回、応えられない自分を怖がり、泣くまで本音を出した姿を見ると、普通に愛情があるのだとわかる。言葉足らずなだけで、タキのことも考えているし、失いたくない気持ちは本物だった。
カズは感情を外に出すのが苦手で、喜怒哀楽がわかりにくい。だから一緒にいる人が誤解しやすい。タキはそれを承知で結婚したはずだが、年月とともにすれ違ってしまったのだと思う。レイという、自分が望む反応を返してくれる相手が現れたことで、惹かれてしまったのもわからないではない。ただ今回、涙を見せて本音を出したカズを見て、タキは可哀想だと思ったのではないか。わかりづらい人だとわかっていても、その弱さを見てしまうと見捨てられない。だからこそ、離婚はしない、となりそう。
対照的な食卓
レイは仕事から帰り、いつものようにほうれん草を茹でようとする。みおりにほうれん草嫌いと言われ、パパは気持ちをわかってくれないと言われてしまう。諦めてレトルトを温め三人で食べる。みおりもミワコも「美味しい」と言う。一方、タキはレイと手作りの料理を無言で食べていた。
それぞれの家庭がレイとタキの望む家庭ではないことが、食卓の対比ではっきり出ていた。
離婚届と、それぞれの選択
片付け中のタキに、カズは突然「俺と離婚する?」と切り出す。これ以上一緒にいても望むことをかなえてあげられない、タキが望むなら、と続ける。
レイは家族を見送ったあと、ゴミ箱のレトルトの空いた器を見ていた。そして、タキが持たせてくれたおかずを食べる。「うまいな〜」と言いながらタキを思い出し、家を出て走っていく。その頃タキは、カズが書いた離婚届を手にカズへ話しかける。
レイはタキの家へ向かったのだろう。タキはカズに何と言うのか。おそらく、見捨てることはできない。だから離婚はしない、と答えるのではないか。本心ではレイとタキは一緒になりたいだろうけど、泣く泣く別れることになりそう。
番組情報
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『一緒にごはんをたべるだけ』第11話「さよならのクレープ」
放送:テレビ東京系 毎週木曜深夜24:00〜24:30
BSテレ東 毎週火曜深夜24:00〜24:30
配信:TVerで見逃し配信。U-NEXTで見放題。
U-NEXTは初回31日間無料。無料期間後は有料です。
出演:澤田タキ/早見あかり、斎藤レイ/伊藤健太郎、澤田カズ/桐山漣、斎藤ミワコ/岸明日香、斎藤みおり/久場音葉
原作:大町テラス『一緒にごはんをたべるだけ』(講談社「コミックDAYS」)
電子版はKindleで読めます。 一緒にごはんをたべるだけ(1) Kindle版

