前回、夫・カズに不倫がバレたタキとレイ。雑誌の仕事を続けたいなら、カズとレイの妻・ミワコの監視のもとで料理を作る、という条件が出される。第9話の感想はこちら。
第10話のサブタイトルは「4人のめんどくさいトマト煮込み」。お互いのパートナーが見ている前で「愛する人と食べたい鍋料理」を作ることになった。地獄のような展開だが、ただ気まずいだけではなく、4人それぞれの歪みがかなりはっきり出ていた。
以下、ネタバレを含みます。
カズの「知的好奇心」に感じた違和感
タキは自宅で下ごしらえをしていた。
「こんなことして何になるの?」と言うと、カズは「タキが好きになった斎藤レイの妻がどんな人か知りたい。知的好奇心だ」と答える。それを聞いたタキが「変な人」と言うと、「あなたの夫だよ」と返される。
知的好奇心で相手の妻を呼ぶか、という違和感はかなり大きい。妻側も迷惑だろうし、「変な人」と言われて返す一言も、どこか「その変な人を夫に選んだのは君だろ」と責めているように聞こえた。
第9話の羊の話ともつながる。大事にすると言いながら、相手の気持ちより自分の所有感が勝っている。知的好奇心でミワコを呼ぶのも、タキの意思を無視して、カズが状況を把握したい気持ちが先に出ているように見えた。
レイとミワコのやり取り
一方レイは、ミワコと一緒にタキの家へ向かう。途中、ミワコに「不倫相手と私、どっちが可愛い?」と聞かれ、言葉に詰まる。それでも「私でしょ」と言われて「うん」と答える。
妻と別れる気がないなら、そう答えるしかない。ただ、レイの本心は違うように見える。今はミワコよりタキに惹かれている。それを自覚しながら、どうしたらいいのかわからない、という感じだ。子どもがいる以上、すぐに別れられない事情はある。
ただレイが知らないだけで、ミワコも浮気している。それを隠したままレイを責める姿を見ると、身勝手だなと思うし、自分のようにバレないようにやればいい、くらいの気持ちがあるのかもしれない、とも思った。
4人での料理開始と、漂う緊張感
タキの家に着くと、レイとタキはいつものように料理を作り始める。「愛する人と食べたい鍋料理」と言ってトマト煮込みのレシピ名を出した瞬間、4人の間に微妙な空気と緊張感が漂った。
不倫している2人が、配偶者の目の前で「愛する人と食べたい鍋料理」を作る。題名の残酷さが、この回のインパクトになっている。
ミワコやカズからすれば、この2人が、こんなふうにいちゃいちゃしながら料理をしていたのか、と思うと、怒りもあるはずだ。何を見せられているのか、と思うのも無理はない。
ミワコの「めんどくさい」と、変わらない日常
ミワコは「無料のお料理教室みたい」と言ったり、レシピに「めんどくさい」と文句を言ったりする。見た感じ、そこまで面倒なレシピではない。カレーを作るくらいの感覚でできる。それすら面倒だと思うなら、何もできない。
普段ほとんど料理をせず、レトルトで済ませているから仕方ない部分はある。それがレイの不満のひとつでもある。それでもミワコは、それを変える気はなさそうだった。
食事を大事に思う感覚が、レイとミワコでは全く合わない。だから、同じように食を大事にするタキに惹かれて、この人とだったらうまくやっていけそうなんだけどなと思ってしまったんだな。
修羅場になった調理中
タキが「私たちの仕事に付き合ってもらってすみません」と言ったとき、ミワコは「2人で被害者ぶるな」と言い返す。それを聞いたカズが「あなたが夫をほったらかしにしておくから悪い」と言い、ミワコは「それはあなたも同じでしょ」と反論する。口論を見ていたレイが「全部僕のせいです。ミワコ、やめて」と言うシーンは、またしても地獄だった。
パートナーへの不満が不倫のきっかけになった部分はあるだろう。それでも、だからといって許される話ではない。落ち度はタキとレイの側にある。お互いの不満を解消する気がないなら別れればいいのに、その気もない。タキは、前回カズに別れを切り出したが「別れないよ」と言われてしまったのもある。
修羅場のあとの試食
ちょっとした修羅場のあと、トマト煮を試食する。ミワコは素直に「美味しい」と言った。そのあとレイが「美味しい!鶏肉がホロホロで〜」といつものように感想を言うのが、こんな状況でもこの人は変わらないんだなと思って面白かった。同時に、空気読めよとも思った。
カズは、タキの料理を食べたときの無反応な態度を改めると言っており、改善する意思は見える。ミワコに自分を変える気がないのに対し、レイは、「好きだから喜ばせたい」「相手のために何かしてあげたい」という気持ちがないなら、一緒にいる意味があるのか、と本質を突くことを言う。
今回のレシピ披露はここで終わる。
2人が帰ったあとのタキとカズ
2人が帰ったあと、カズは「まだ好きなんでしょ?」と聞く。タキが「それなのに、なんで嫌いにならないの?」と返すと、「タキと一緒にいると、こんな感情もあったんだなと気づかせてくれる。楽しいんだ」と言う。タキはまた「変な人」と返す。
「あなたの夫だよ」というやり取りは、前回と同じで引っかかる。タキはカズの感情がよくわからなくて不満だったが、カズからすると、無反応に見えていても十分楽しんでいるらしい。感情が表に出ない人は誤解されやすく、厄介だと思った。
タキの気持ちは、まだレイの方に残っている。ただ、その気持ちを選ぶより先に、分からない人と生き続ける不安の方が大きいように見える。第10話のタキは、恋愛の選択というより、この人とこのまま暮らすのか、という怖さの方が強く出ていた。
みおりを連れてきたミワコの怖さ
そして2回目のレシピ披露が決まる。仕事でレイが遅れ、ミワコが先にタキの家へ向かう。ミワコからの電話に出たレイが「嘘でしょ?」と驚き、急いで向かう。玄関に出てきたタキと一緒にいたのは、娘のみおりだった。「タキちゃんがごはん作ってくれるんだって」。第10話はここで終わる。
不倫相手の家に子どもを連れていくのは、「私たちの家庭を壊さないで」というメッセージなのか、幸せな家庭を見せつける演出なのか、よくわからない。ただ、ミワコが心底怖いと思った。
レイはミワコの尻に敷かれていて、いつも言いなりだ。不倫という弱みを握られたまま、この先も一緒にいるのか。慰謝料を払って別れた方がいい気もするが、そう簡単にはいかないのだろう。
まとめ
第10話は、料理そのものより、4人の関係の歪みが食卓に乗っかってくる回だった。不倫発覚後も誰も関係を終わらせず、蓋をしたまま次へ進む怖さがある。
次回、みおりがいる状態で何が起きるのか。かなり気になる。
番組情報
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『一緒にごはんをたべるだけ』第11話「さよならのクレープ」
放送:テレビ東京系 毎週木曜深夜24:00〜24:30 BSテレ東 毎週火曜深夜24:00〜24:30
配信:TVerで見逃し配信。U-NEXTで見放題。 U-NEXTは初回31日間無料。無料期間後は有料です。
出演:澤田タキ/早見あかり、斎藤レイ/伊藤健太郎、澤田カズ/桐山漣、斎藤ミワコ/岸明日香、斎藤みおり/久場音葉
原作:大町テラス『一緒にごはんをたべるだけ』(講談社「コミックDAYS」)
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