「スピナーベイト」第9話感想|連続殺人犯の正体と、歪んだ正義の行方

当サイトはアフィリエイト広告を利用することがあります。
当サイトはアフィリエイト広告を利用することがあります。
「スピナーベイト」第9話感想 2026年ドラマ
イメージ画像(AI生成)です

第9話で連続殺人犯の正体が分かった。動機は気の毒なほど重い。それでも、元警察官の復讐を見ていて胸がざわついた。

※この記事は第9話のネタバレを含みます。

犯人は吉見だった

ハルオの財布から三井のメモが出てくる。それは吉見に渡したものだった。気づいた三井は、囚われている高橋のもとへ急ぐ。そこで明らかになるのが、連続殺人犯の正体が吉見だということだった。

第8話の終わりでは、ハルオにスピナーベイトを痛めつけるよう依頼していたのが吉見だと、すでに匂わされていた。第9話で動機がわかり、本当に気の毒だと思った。身重の妻を亡くし、警察にも守ってもらえなかった怒りと悲しみは、想像を絶する。

経緯はこうだ。スピナーベイトの高橋に脅された市川亜矢と二宮浩二が当たり屋をやり、被害者に犯罪者リストを書かせて金を奪っていた。その被害に吉見の妻が遭い、飛び出してきた二宮を避けようとしてハンドルを切った末に事故死する。

電話をした吉見は女の声を聞いており、それが市川だった。妻の死はただの事故として処理される。吉見は警察を辞め、犯人を追った。掲示板経由で市川と接触し、呼び出して殺害する。次に二宮を殺害し、2人の裏に高橋がいることを知って三井に近づいた。

でも、元警察官がこんな復讐劇を演じていたのかと思うと、胸がざわつくし、やるせない。「正義ってなんなんだろう」と、画面の前で何度も考えてしまった。警察が妻の事件を事故で終わらせず、きちんと捜査していれば、この連続殺人は起きなかったはずだ。

犯罪を裁く側の責任は、それほど重い。このドラマに限らず、捜査するべき事案を警察が追わない展開はよく見る。怠慢だと思う。

三井が撃たなかった銃と、高橋への言葉

吉見は高橋に銃を向けるが、間一髪のところで三井が助けに入る。すると吉見は、その銃を三井に持たせ、自分の体へ向けさせる。「ここで殺しておかないと、後悔するぞ」——そんな空気で迫るが、三井は撃ちたくなかった。結局撃たず、吉見はその銃を持って立ち去る。

高橋は言う。「あいつもお前も嘘つきだ。本当は人の不幸が好きなくせに」。一連の発端が高橋だったことを知った三井は、それを知っても飄々としているその態度に、「お前が死ねばよかったのに。お前ほど不幸な奴を見た事ないよ」と言い放つ。

人を殺したくない自分と、救われてもなお人の不幸を喜ぶような高橋。あの一言に、三井の積もった怒りが全部乗っていた気がした。

亀貝組の崩壊と、スピナーベイトの休止

後日、亀貝組の英二がハルオを殺した犯人として逮捕される。英二は会長・蓼丸の命令でアリーと亀貝を殺したが、結局はトカゲの尻尾切りにされた。

スピナーベイトの後ろ盾だった亀貝組が事実上なくなり、活動も休止状態になる。するとこれまでの報復を恐れて学校へ来なくなる者と、逆に学校生活をエンジョイする者で対応が分かれる。

これで事態は収束するのかと思っていたが、スピナーベイトのメンバーが何者かに襲われだす。亀貝が失踪したことで寺山はやる気をなくす。玉城は「2人だけでも立ち向かおう」と持ちかけ、寺山は付き合うことにする。

組織が崩れた瞬間に、人の本性がにじみ出る。怖がる者、喜ぶ者、まだ「正義」を続けるつもりでいる者。それぞれが、スピナーベイトという歪んだ世界にどれだけ浸かっていたかを物語っているようで、見ていて息が詰まった。

パンダの覆面が再び動く

そんな2人が夜、犯人を探して歩いていると、パンダの覆面を被った通り魔に襲われ、玉城が怪我をする。恐れをなしたパンダの覆面は走り去る。

この覆面は内新次郎だと思われる。スピナーベイトの下っ端でいつもいじめられていたが、トップを目指すために通り魔事件を自ら起こし、犯人を捕まえたことにしてトップを狙う作戦だった。

前回、蓼丸を襲おうとしたところを英二に捕まりどこかへ連れて行かれたようだったが、また事件を起こしていたとは……。

内のことが、いちばん悲しい。日常的に暴力を受け続けて、おかしくなってしまった。トップを狙うために自ら通り魔になり、今度はメンバーを襲う。もうどこにも逃げ場がない。スピナーベイトという「正義」の名のもとに、一番弱い立場の人間が壊されていく様子は、見ていて胸が痛む。

「世直し」と自警団のズレ

玉城は、自警団と称して軽犯罪者を暴力で支配し金を巻き上げる行為が本当に世直しだと思っているところが、決定的にズレている。寺山はヤクザの亀貝を尊敬しているようで、そこもズレている。

スピナーベイトは自警団だが、犯罪を犯して軽犯罪者を取り締まり、そのリストと金をヤクザ組織に上納する、全く正義ではない組織だ。

それを知らずに入ってしまった三井と内。知らないまま巻き込まれ、傷つけられ、壊されていく。正義の看板の裏側に、こんなにも汚い構造があることを、改めて突きつけられた気がした。

吉見の計画は、まだ終わっていない

三井は学校へ来なくなった内に、スピナーベイトのメンバーが襲われていることを伝えに行く。

そこへクラスメートの小野田恵美から連絡が入る。吉見が上田大悟とその父親に近づいていたのだ。

吉見の計画は、まだ終わっていないのか。上田大悟の兄は引きこもりだというが、そのことと関係しているのか。父親は以前、吉見のことを「神様」と呼んでいたが、そのことと関係があるのか。

まだ謎は解けない。復讐が終わったはずの場所から、また次の影が伸びてくる。

次話が、怖いくらいに気になる。第10話の感想はこちら。

原作漫画はこちら

※本記事にはアフィリエイトリンクを含みます。
Amazonのアソシエイトとして、lemoncc.funは適格販売により収入を得ています。

ドラマの原作は、此元和津也『スピナーベイト』。新装版の上下巻が手に入りやすい。

新装版 スピナーベイト 上巻(Amazon)
新装版 スピナーベイト 下巻(Amazon)

番組情報

タイトル:スピナーベイト

原作:此元和津也『スピナーベイト』(幻冬舎コミックス刊)

放送:フジテレビ(関東ローカル) 毎週火曜 深夜25:45〜26:15
2026年6月30日(火)スタート
※第9話「幸福論」は2026年8月25日(火)深夜25:50〜放送

出演:
三井宏太:加藤清史郎
吉見健太郎:駿河太郎
内新次郎:萩原護
ほか

番組公式サイト

タイトルとURLをコピーしました